秋挙式
披露宴のみ30名
2階和座敷

「今度東京で結婚する長男のお披露目をしたいのですが、話を聞かせてもらえませんか?」
初めてのお問い合わせは、
新郎のお父様からの一本のお話でした。
公務の職の為、ご本人は打合せには帰ってこれず
花嫁となるお嬢様も東京在住。
「熊本に居るばあちゃんに、
晴れ姿を見せてやりたい気持ちが一番で。
職場や新婦の親族友人たちとは、
冬に東京で挙式披露宴を計画しているようです。
上京出来ない祖母や一部の親族たちと
この熊本でも披露宴をしてやりたくて。」
そう思われるご両親のお気持ちとは裏腹に
帰省もままならないご職業に忙しい毎日を過ごされる彼。
打合せはお電話が一度きり。
何度もお電話して、ようやく繋がった日は夜勤明け。
眠い目をこすりながら出られたお電話口の声は、
披露宴は少し億劫・・?
そう感じる声のやり取りから始まった打合せ。
とはいえ、披露宴の主役は彼だけではなく
知らない土地、知らない親族に囲まれて
ウエディングの一日を過ごす東京生まれの花嫁様。
ご負担がないように、ご不安がないように、
そして、折角のご披露です。
まずは花嫁のお気持ちを聞き取らせていただき、
ご提案をさせてくださいとのお願いを
ご理解くださった新郎家の御両親様。
信じていただく責任を必ず果たせるものでありたいと、
心してお導きを始めました。

東京での披露宴のスタイルは洋。
それでは和、白無垢を着て色直しは
彼のお母様のお振袖を花嫁仕立てにいたしましょうか。
今の二人をちゃんと、
熊本の皆様に伝えることが出来るように
生い立ちだけではない言葉を添えた
今の二人の写真も沢山使いませんか。
これからはじまる二人の未来、
違くに暮らす皆様が安心して見守ってくれるように
意味のある時間になりますように。
それがこの披露宴の意味だと気が付かれてからは
忙しい彼の為に、これからの二人の為に、
そして彼の御両親のお気持ちに応えて差し上げる為に
花嫁様が頑張った準備期間がありました。
一人で打合せに帰省して、一泊二日の打合せも
充実した楽しい時間となりましたね。
こうして迎えた披露宴。
新婦側は、東京から来てくれたお母様とお姉様
そして他界されて出席は叶わなかった花嫁お父様のお席。
新郎側のおばあちゃんをはじめ、父方母方、
恩師との披露宴は、尽きない会話と
懐かしい思い出を両家で辿る
とても素晴らしい時間となりました。
「宏政は うちの宝物だけん」
小さい頃から新郎を可愛がってくれた
おばあちゃんの言葉は、遠くで生きて行く二人の
心にちゃんと届いたはずです。
そして今はもう会えない
花嫁のお父様のことも皆様にご紹介でき、
きっと天国から喜んでくださったはず。
東京と熊本 ご両家のご縁結び
お手伝いさせていただき、本当にありがとうございます。